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中華人民共和国著作権法

(1990年9月7日第7期全国人民代表大会常務委員会第15回会議にて採択  2001年10月27日第9期全国人民代表大会常務委員会第24回会議における「中華人民共和国著作権法」改正に関する決定に基づき第一回改正、2010年2月26日第11期全国人民代表大買常務委員会大13回会議における「中華人民共和国著作権法」改正に関する決定に基づき第二回改正)

 


目次

第一章 総則

第二章 著作権

第1節 著作権者及びその権利

第2節 著作権の帰属

第3節 権利の保護期間

第4節 権利の制限

第三章 著作権の使用許諾及び譲渡契約

第四章 出版、実演、録音録画、放送

第1節 図書及び新聞・刊行物の出版

第2節 実演

第3節 録音録画

第4節 放送局・テレビ局の放送

第五章 法律責任及び執行措置

第六章 附則

 


第一章 総則

 


第一条 文学、芸術及び科学的著作物の著作者の著作権並びに著作権に隣接する権利・利益を保護し、社会主義における精神的文明と物質的文明の建設に有益な作品の創作と伝達を奨励し、更に社会主義文化及び科学事業の発展と繁栄を促すべく、憲法に基づき本法を制定する。

 


第二条 中国公民、法人又はその他の組織の著作物は、発表の要否を問わず、本法により著作権を享有する。

外国人、無国籍人の著作物がその著作者が属する国又は通常の居住国と中国との間に締結された協議によって、又は共に加盟している国際条約によって享有される著作権は、本法の保護を享受する。

外国人、無国籍人の著作物であり中国国内で最初に出版されたものは、本法により著作権を享有する。

中国と協議が締結されず、又は共に国際条約に非加盟の国家の著作者及び無国籍人の著作物が、中国が加盟している国際条約の構成国において最初に出版されたとき、若しくは構成国と非構成国において同時に出版されたときは、本法における保護を享受する。

 


第三条 本法にいう著作物には、次に掲げる形式で創作される文学、美術及び自然科学、社会科学、産業技術等の著作物が含まれる。

一、文字による著作物

二、口述による著作物

三、音楽、演劇、演芸、舞踊、曲芸芸術による著作物

四、美術、建築による著作物

五、撮影による著作物

六、映画著作物及び映画の撮影製作に類する方法により創作された著作物

七、工事・建築設計図、製品設計図、地図、見取り図等の図形による著作物及び模型著作物

八、コンピュータソフトウェア

九、法律、行政法規に規定されるその他の著作物

 


第四条 著作権者が著作権を行使するときは、憲法及び法律に違反してはならず、公共の利益を害してはならない。国家は法律に基づき、作品の出版、伝達に対して監督管理を行う。

 


第五条 本法は次に掲げるものに適用されない。

一、法律、法規及び国家機関の決議、決定、命令、その他立法、行政、司法的性質を有する文書、並びにそれら公文書の正式訳文

二、時事報道

三、暦法、汎用的数表、汎用的表及び公式

 


第六条 民間文学芸術の著作物にかかる著作権の保護方法は、国務院が別途規定する。

 


第七条 国務院の著作権行政管理部門は、全国の著作権の管理業務を主管する。各省、自治区、管轄市の人民政府における著作権行政管理部門は本行政区域内の著作権の管理業務を主管する。

 


第八条 著作権者及び著作隣接権者は、著作権管理団体に授権して著作権又は著作権隣接権を行使させることができる。著作権管理団体は授権された後に、自らの名義でもって著作権者と著作隣接権者のために権利を主張することができる。併せて著作権又は著作隣接権にかかる訴訟や仲裁活動に当事者として関与することができる。

著作権管理団体は非営利組織であり、その設立形式・権利義務・著作権の許諾使用料の受領、分配及びその監督管理等については国務院が別途規定する。

 


第二章 著作権

 


第1節 著作権者及びその権利

 


第九条 著作権者には、次に掲げる者が含まれる。

一、著作者

二、その他、本法により著作権を享有する公民、法人又はその他の組織

 


第十条 著作権には、次に掲げる人格権と財産権が含まれる。

一、公表権、即ち著作権を公表するか否かを決定する権利

二、氏名表示権、即ち著作者の身分を表明し、著作物上に氏名を表示する権利

三、改変権、即ち著作物を改変する、又は他人に授権して著作物を改変させる権利

四、同一性保持権、即ち著作物が歪曲、改纂されないよう保護する権利

五、複製権、即ち印刷・コピー・拓本・録音・録画・ダビング・デュープ等の方法によって作品を一部または複数部製作する権利

六、発行権、即ち販売又は贈与の方法で公衆に著作物の原本又は複製品を提供する権利

七、貸与権、即ち有償で他人が映画著作物及び映画の撮影製作に類する方法により創作された著作物及びコンピュータソフトウェアを一時的に使用することを許諾する権利、貸出を主目的としないコンピュータソフトウェアを除く

八、展示権、即ち美術著作物、撮影著作物の原本又は複製品を公開陳列する権利

九、実演権、即ち著作物を公開実演し、併せて各種手段を用いて著作物の実演を公開放送する権利

十、放映権、即ち放映機材、スライド映写機等の技術設備を利用して、美術、撮影、映画及び映画の撮影製作に類する方法により創作された著作物等を公開し再現する権利

十一、放送権、即ち無線方式によって著作物を公開放送又は伝達し、又は有線方式による伝達又は中継方法で公衆に対して著作物を伝達・放送し、及び拡声器又はその他の信号・音声・画像を伝送する類似工具を通して公衆に作品を伝達・放送する権利

十二、情報ネットワーク伝達権、即ち有線又は無線方式により公衆に著作物を提供し、公衆が自ら選定した時間、場所で著作物を入手させるようにする権利

十三、撮影製作権、即ち映画の撮影製作又は映画の撮影製作に類する方法により、著作物を媒体上に固定させる権利

十四、翻案権、即ち著作物を改変し、独創性を有する新たな著作物を作り出す権利

十五、翻訳権、即ち著作権をある言語文字から別の言語文字に変換する権利

十六、編集権、即ち著作物又は著作物の一部分を選択又は編成し、新たな著作物として編集する権利

十七、著作権者が享有すべきその他の権利

著作権者は、前項第五項乃至同第十七項に規定する権利の行使を他人に許諾することができ、且つ契約又は本法の関連規定により報酬を得ることができる。

著作権者は、本条第一項第五項乃至第十七項に規定する権利の全部又は一部を譲渡でき、且つ契約又は本法の関連規定により報酬を得ることができる。

 


第2節 著作権の帰属

 


第十一条 著作権は著作者に帰属する。但し本法で別段の規定があればこの限りでない。

著作物を創作した公民を著作者とする。

法人又はその他の組織が主管し、法人又はその他の組織の意思を代表して創作し、且つ法人又はその他の組織が責任を負担する著作物については、法人又はその他の組織を著作者とみなす。

反証がない限り、著作物上に氏名を表示した公民、法人、その他の組織は著作者とする。

 


第十二条 既存の著作物を翻案、翻訳、注釈、整理することにより生じた著作物の著作権は、その翻案、翻訳、注釈、整理をした者が享有する。但し、著作権を行使するにあたっては、原著作物の著作権を侵害してはならない。

 


第十三条 二人以上の者が共同で創作した著作物の著作権は、共同著作者によって共有される。創作に参加していない者は、共同著作者とはなりえない。

分割して使用できる共同著作物については、著作者は各自の創作部分に対して単独に著作権を享有できる。但し、著作権を行使するときは、共同著作物全体の著作権を侵害してはならない。

 


第十四条 いくつかの著作物、著作物の一部、又は構成されていない作品のデータ又はその他の資料を編集し、その内容を選択又は改編して独創性を体現している著作物は、編集著作物として、その著作権は編集者が享有する。但し、著作権を行使するときは、原著作物の著作権を侵害してはならない。

 


第十五条 映画著作物及び映画の撮影製作に類する方法により創作された著作物の著作権は製作者が享有する。但し、脚本、監督、撮影、作詞、作曲等の著作者は氏名表示権を享有し、併せて製作者と締結した契約によって報酬請求権を享有する。

映画著作物及び映画の撮影製作に類する方法により創作された著作物中の脚本、音楽等の単独で使用できる著作物の著作者は、その著作権を単独で行使する権利を有する。

 


第十六条 公民が法人或いはその他の組織にかかる業務上の任務を遂行するために創作した著作物は職務著作であり、本法第二項の規定を除き、その著作権は著作者が享有する。但し、法人或いはその他の組織はその業務の範囲内で優先的に使用できる権利を有する。著作物が完成してから2年以内は、事業単位の同意を得ずに、著作者は第三者に事業単位が使用させることと同様の方法で当該著作物を使用することを許諾してはならない。

次に掲げる形態のいずれかの職務著作物については、著作者は氏名表示権を享有する。著作権にかかるその他の権利は、法人或いはその他の組織がこれを享有する。法人或いはその他の組織は著作者に奨励を与えることができる。

一、主として法人或いはその他の組織が物質上の技術的条件を利用して創作し、かつ法人或いはその他の組織が責任を負う建築・工事設計図、製品設計図、地図、コンピュータソフトウェア等の職務著作物

二、法人又はその他の組織が著作権を享有することを、法律・行政法規が規定し、又は契約で定められた職務著作物

 


第十七条 委託を受けて創作された著作物の著作権の帰属は、委託者及び受託者が契約により定めることとする。契約に明確な定めがない、又は契約を締結していない場合は、著作権は受託者に帰属する。

 


第十八条 美術等の著作物の原著作物にかかる所有権の移転は、著作権の移転とはみなされない。但し、美術著作物の原著作物にかかる展示権は、原著作物の所有者が享有する。

 


第十九条 著作権が公民に帰属する場合、当該公民が死亡した後、本法第十条第一項第五号乃至第十七号に定める権利については、本法に定める保護期間内に相続法の規定により移転する。

著作権が法人又はその他の組織に帰属する場合、当該法人又はその他の組織が変更又は終了した後、本法第十条第一項第五号乃至第十七号に定める権利については、本法に定める保護期間内に当該権利義務を承継する法人又はその他の組織が享有する。当該権利義務を承継する法人又はその他の組織が存在しない場合には、国が享有する。

 


第3節 権利の保護期間

 


第二十条 著作者の氏名表示権、改変権、及び同一性保持権の保護期間は制限を受けない。

 


第二十一条 公民の著作物の公表権、本法第十条第一項第五号乃至第十七号に定める権利の保護期間は著作者の生涯及びその死亡後の50年間とし、著作者の死亡の日から起算して50年を経過した年の12月31日までとする。共同著作物の場合、最後に死亡した著作者が死亡した日から起算して50年を経過した年の12月31日までとする。

法人又はその他の組織の著作物及び著作権(氏名表示権を除く)を法人又はその他の組織が享有する職務著作物にかかる公表権及び本法第十条第一項第五号乃至第十七号に定める権利の保護期間は50年間とし、著作物が最初に公表された日から起算して50年を経過した年の12月31日までとする。但し、著作物が創作完了後の50年以内に公表されなかったときは、本法による保護を享受しない。

映画著作物及び映画の撮影製作に類する方法により創作された著作物、並びに撮影された著作物にかかる公表権及び本法第十条第一項第五号乃至第十七号に定める権利の保護期間は50年間とし、著作物が最初に公表された日から起算して50年を経過した年の12月31日までとする。但し、著作物が創作完了後の50年以内に公表されなかったときは、本法による保護を享受しない。

 


第4節 権利の制限

 


第二十二条 次の各号に掲げる状況において著作権を利用する場合は、著作権者の許諾を必要とせず、著作権者に報酬を支払わなくてもよい。但し、著作者の氏名及び著作物の名称を明示しなければならず、かつ著作権者が本法により享有するその他の権利を侵害してはならない。

一、個人的な学習、研究又は鑑賞のために、他人に既に公表された著作物を使用する場合

二、ある著作物を紹介、評論、又はある問題を説明するために、著作物において他人に既に公表された著作物を適切に引用する場合

三、時事ニュースを報道するために、新聞・定期刊行物、放送局・テレビ局等のメディア媒体で既に公表された著作物をやむを得ず再現又は引用する場合

四、新聞・定期刊行物、放送局・テレビ局等のメディア媒体が、他の新聞・提起刊行物、放送局・テレビ局等のメディア媒体により既に公表された政治、経済、宗教問題に関する時事的文章を掲載又は放送する場合、但し著作者が掲載、放送を許諾しない旨を表明している場合はこの限りでない

五、新聞・定期刊行物、放送局・テレビ局等のメディア媒体が、公衆の集会において公表された演説を掲載又は放送する場合、但し著作者が掲載、放送を許諾しない旨を表明している場合はこの限りでない

六、学校の教室における授業又は科学研究のために、既に公表された著作物を翻訳又は少量複製し、授業又は科学研究にかかる者の使用に供する場合、但しそれを出版又は発行してはならない。

七、国家機関が公務執行のために、既に公表された著作物を合理的な範囲内で使用する場合

八、図書館、公文書館、記念館、博物館、美術館等が陳列又は版本を保存する必要から当該館が収蔵する著作物を複製する場合

九、既に公表された著作物を無償で実演する場合、当該実演とは公衆から費用を徴収せず実演者にも報酬を支払わない場合をいう

十、屋外公共場所に設置又は陳列されている美術の著作物につき、模写、描写、撮影又は録画する場合

十一、中国公民、法人又はその他の組織により既に公表済みの漢言語により創作された著作物を、少数民族の言語文字に翻訳し国内で出版及び発行する場合

十二、既に公表された著作物を点字にして出版する場合

前項の規定は、出版者、実演者、録音録画製作者、放送局・テレビ局に対する権利の制限に適用する。

 


第二十三条 (教科書への著作物の利用)9年制義務教育及び国の教育計画を実施するために編纂出版される教科書には、著作者が事前に使用を許諾しない旨を表明した場合を除き、著作者の許諾を得ることなく、当該教科書の中で既に公表された著作物の一部又は短編著作物、音楽著作物、又は一枚ものの美術著作物、撮影著作物を編集することができる。但し規定に基づき報酬を支払わなければならず、著作者の氏名・著作物の名称を明記しなければならない。併せて著作権者が本法により享有するその他の権利を侵害してはならない。

前項の規定は、出版者、実演者、録音録画製作者、放送局・テレビ局に対する権利の制限に適用する。

 


第三章 著作権の使用許諾及び譲渡契約

 


第二十四条 他人の著作物を使用するときは、著作権者と使用許諾契約を締結しなければならない。本法の規定により許諾を要しない場合はこの限りでない。

使用許諾契約には、主に次の各号に掲げる内容が含まれる。

一、使用を許諾する権利の種類

二、使用を許諾する権利の専用使用権か非専用使用権かの区別

三、使用を許諾する地理的範囲、期間

四、報酬支払基準及び方法

五、違約責任

六、当事者双方が約定を要すると認めるその他の内容

 


第二十五条 本法第十条第一項第五号乃至第十七号に定める権利の譲渡は、書面による契約を締結しなければならない。

譲渡契約には、主に次の各号に掲げる内容が含まれる。

一、著作物の名称

二、譲渡する権利の種類、地理的範囲

三、譲渡価額

四、譲渡額の支払日及び方法

五、違約責任

六、当事者双方が約定を要すると認めるその他の内容

 


第二十六条 著作権をもって抵当する場合、質入れ人と抵当権者は共同で、国務院著作権行政管理部門に抵当登記手続きを行わなければならない。

 


第二十七条 使用許諾契約及び譲渡契約において、著作権者が許諾又は譲渡を明確にしていない権利については、相手方当事者は著作権者の同意を得ずにこれを行使してはならない。

 


第二十八条 著作物の使用報酬支払基準は当事者の約定により定めることができ、又国務院の著作権行政管理部門が関係部門と共同で制定した報酬支払基準に基づいて報酬を支払うこともできる。当事者の約定が不明確な場合、国務院の著作権行政管理部門が関係部門と共同で制定した報酬支払基準に基づき報酬を支払う。

 


第二十九条 出版者、実演者、録音録画製作者、放送局・テレビ局等が、本法の関係規定に基づいて他人の著作物を使用する場合には、著作者の氏名表示権、改変権、同一性保持権及び報酬請求権を侵害してはならない。

 


第四章 出版、実演、録音録画、放送

 


第1節 図書及び新聞・刊行物の出版

 


第三十条 図書出版者は図書を出版する場合に著作権者と出版契約を締結しなければならず、かつ報酬を支払わなければならない。

 


第三十一条 図書出版者は、著作権者から出版用に渡された著作物について、契約により享有が約定された専用出版権に基づき本法による保護を受ける。その他の者は、当該著作物を出版してはならない。

 


第三十二条 著作権者は契約に定める期限に従って著作物を引き渡さねばならない。図書出版者は契約に定める出版の品質、期限に従い、図書を出版しなければならない。

図書出版者が契約に定める期限内に出版しない場合、本法第五十三条(契約不履行にかかる民事責任)の規定に基づき民事責任を負わねばならない。

図書出版者が著作物を増刷又は再版する場合は、著作権者に通知しなければならず、かつ報酬を支払わなければならない。図書が完売された後、図書出版者が増刷又は再版を拒否した場合に、著作権者は当該契約を終了させる権利を有する

 


第三十三条 著作権者は、新聞社・定期刊行物出版社に投稿する際に、原稿発送日から15日以内に新聞社の掲載決定通知を受領しなかった場合、又は原稿発送日から30日以内に定期刊行物出版社の掲載決定通知を受領しなかった場合は、同一の著作物を他の新聞社・定期刊行物出版社に投稿することができる。但し、当事者双方に別段の定めがある場合はこの限りでない。

著作物が掲載された後、著作権者が転載又は編集をしてはならない旨を表明している場合を除き、他の新聞・刊行物はこれを転載又はダイジェスト、若しくは資料として掲載することができる。但し、規定に基づき著作権者に報酬を支払わなければならない。

 


第三十四条 図書出版者は、著作権者の許諾を受けて、著作物を改変又は要約することができる。

新聞社・定期刊行物出版社は、著作物に対し文字上の改変及び要約を行うことができる。内容の改変については、著作者の許諾を得なければならない。

 


第三十五条 既存の著作物を翻案、翻訳、注釈、整理、編集することで生じた著作物を出版する場合、著作物を翻案、翻訳、注釈、整理、編集した著作権者及び原著作物の著作権者の許諾を得なければならず、かつ報酬を支払わなければならない。

 


第三十六条 出版者は、その出版した図書・定期刊行物のレイアウトデザインを使用することを他人に許諾し、又は禁止する権利を有する。

前項に定める権利の保護期間は10年間とし、当該レイアウトデザインを使用する図書・定期刊行物が最初に出版された日から起算して10年を経過した年の12月31日までとする。

 


第2節 実演

 


第三十七条 他人の著作物を利用して実演する場合、実演者(役者、演出事業単位)は著作権者の許諾を得なければならず、かつ報酬を支払わなければならない。演出組織者が演出を組織する場合、当該組織者は著作権者の許諾を得なければならず、かつ報酬を支払わなければならない。

既存の著作物を翻案、翻訳、注釈、整理することで生じた著作物を利用して実演を行う場合、著作物を翻案、翻訳、注釈、整理した著作権者及び原著作物の著作権者の許諾を得なければならず、かつ報酬を支払わなければならない。

 


第三十八条 実演者はその実演について次の各号に掲げる権利を享有する。

一、実演者の身分を表示する権利

二、実演イメージが歪曲されないよう保護する権利

三、他人が現場から生放送及びその現場からの実演を公開中継することを許諾し、かつ報酬を取得する権利

四、他人が録音録画することを許諾し、かつ報酬を取得する権利

五、その実演が収録された録音録画製品を複製、発行することを他人に許諾し、かつ報酬を取得する権利

六、情報ネットワークを通じて他人がその実演を公衆に伝達することを許諾し、かつ報酬を取得する権利

許諾を受ける者は、前項第三号乃至第六号に定める方法により著作物を使用する場合、著作権者の許諾を得なければならず、かつ報酬を支払わなければならない。

 


第三十九条 本法第三十八条第一項第一号、第二号に定める権利の保護期間は制限を受けない。

本法第三十八条第一項第三号乃至第六号に定める権利の保護期間は50年間とし、当該実演が発生した日から起算して50年が経過した年の12月31日までとする。

 


第3節 録音録画

 


第四十条 録音録画製作者が、他人の著作物を利用して録音録画製品を製作する場合、著作権者の許諾を得なければならず、かつ報酬を支払わなければならない。

録音録画製作者が、著作物を翻案、翻訳、注釈、整理することで生じた著作物を利用する場合、著作物を翻案、翻訳、注釈、整理した著作権者及び原著作物の著作権者の許諾を得なければならず、かつ報酬を支払わなければならない。

録音製作者が、録音製品として合法的な既に収録済みの他人の音楽作品を使用して録音製品を製作する場合、著作権者の許諾を得ることを要しないが、規定に従い報酬を支払わなければならない。著作者が使用を許諾しない旨を表明している場合、これを使用してはならない。

 


第四十一条 録音録画製作者が録音録画製品を製作するときは、実演者と契約を締結しなければならず、かつ報酬を支払わなければならない。

 


第四十二条 録音録画製作者は、その製作した録音録画製品に対して、他人に複製、発行、貸与、情報ネットワークを通じた公衆への伝達を許諾し、かつ報酬請求権を享有する。当該権利の保護期間は50年とし、当該製品が最初に製作を完成した日から起算して50年を経過した年の12月31日までとする。

許諾を受ける者は、録音録画製品を複製、発行、情報ネットワークを通じた公衆への伝達を行う場合、著作権者及び実演者の許諾を得なければならず、かつ報酬を支払わなければならない。

 


第4節 放送局・テレビ局の放送

 


第四十三条 放送局・テレビ局は公表がされていない他人の著作物を放送する場合、著作権者の許諾を得なければならず、かつ報酬を支払わなければならない。

放送局・テレビ局は、公表済みの他人の著作物を放送する場合、著作権者の許諾を得ることを要しないが、報酬は支払わなければならない。

 


第四十四条 放送局・テレビ局は出版済みの録音製品を放送する場合、著作権者の許諾を得ることを要しないが、報酬は支払わなければならない。当事者間に特段の定めがある場合はこの限りでない。これらの具体的な方法は国務院が規定する。

 


第四十五条 放送局・テレビ局は、許諾を受けていない次の各号に掲げる行為の禁止権を有する。

一、その放送するラジオ・テレビ番組を中継放送すること

二、その放送するラジオ・テレビ番組を音楽、映像の媒体上に録音録画すること、及び当該録音映像媒体を複製すること

前項に定める権利の保護期間は50年とし、当該ラジオ・テレビ番組が最初に放送された日から起算して50年が経過した年の12月31日までとする。

 


第四十六条 テレビ局が他人の映画著作物及び映画の撮影製作に類する方法により創作された著作物、録画著作物を放送する場合は、製作者又は録画製作者の許諾を得なければならず、かつ報酬を支払わなければならない。;他人の録画著作物を放送する場合は、著作権者の許諾を得なければならず、かつ報酬を支払わなければならない。

 


第五章 法律責任及び執行措置

 


第四十七条 次の各号に掲げる権利侵害行為がある場合には、情状により侵害の停止、影響の除去、謝罪、損害賠償等の民事責任を負わなければならない。

一、著作権者の許諾を得ずに、その著作物を公表した場合

二、共同著作者の許諾を得ずに他人と共同で創作した著作物を自ら単独で創作した著作物として公表した場合

三、創作に参加せずに、個人の名誉と利益のために、他人の著作物に氏名を表示した場合

四、他人の著作物を歪曲、改ざんした場合

五、他人の著作物を盗用した場合

六、著作権者の許諾を得ずに、展示、映画の撮影製作、及び映画の撮影製作に類する方法により著作物を使用し、又は翻案、翻訳、注釈等の方法により著作物を使用した場合、但し本法に別途規定がある場合はこの限りでない。

七、他人の著作物を使用し、報酬を支払わねばならないにもかかわらず、それを支払わなかった場合

八、映画著作物及び映画の撮影製作に類する方法により創作された著作物、コンピュータソフトウェア、録音録画製品の著作権者、或いは著作隣接権の許諾を得ずに、その著作物又は録音録画製品を貸与した場合、但し本法に別途規定がある場合はこの限りでない。

九、出版者の許諾を得ずに、その出版された図書・定期刊行物のレイアウトデザインを使用した場合

十、実演者の許諾を得ずに、現場から生放送又は現場の実演を公開中継した場合、或いはその実演を収録した場合

十一、著作権及び著作隣接権にかかるその他の侵害行為

 


第四十八条 次の各号に掲げる権利侵害行為がある場合には、情状により侵害の停止、影響の除去、謝罪、損害賠償等の民事責任を負わなければならない。同時に公共の利益を損害したものは、著作権行政管理部門がその権利侵害行為の停止を命じ違法所得を没収し、権利侵害にかかる複製品を没収、破棄し、かつ罰金に処することができる。情状が深刻な場合には、著作権行政管理部門は、更に主に権利侵害にかかる複製品の制作に用いられた材料、工具、設備等を没収することもできる。犯罪を構成する場合は、法により刑事責任を追及する。

一、著作権者の許諾を得ずに、その著作物を複製、発行、実演、放映、放送、編集し、情報ネットワークを通じて公衆に伝達した場合、但し本法に別途規定がある場合はこの限りでない。

二、他人が専用出版権を享有する図書を出版した場合

三、実演者の許諾を得ずに、その実演が収録された録音録画製品を複製、発行し、或いは情報ネットワークを通じて公衆に伝達した場合、但し本法に別途規定がある場合はこの限りでない。

四、録音録画製作者の許諾を得ずに、その製作した録音録画製品を複製、発行し、或いは情報ネットワークを通じて公衆に伝達した場合、但し本法に別途規定がある場合はこの限りでない。

五、許諾を得ずにラジオ・テレビ番組を放送又は複製した場合。但し本法に別途規定がある場合はこの限りでない。

六、著作権者又は著作隣接権者の許諾を得ずに、権利者がその著作物や録音録画製品等に採用している著作権又は著作隣接権を保護するための技術的措置を故意に回避し、或いは破壊した場合、但し法律・行政法規に別段の定めがある場合はこの限りでない。

七、著作権者又は著作隣接権者の許諾を得ずに、著作物や録音録画製品等の権利を管理するための電子情報を故意に削除或いは改変した場合、但し法律・行政法規に別段の定めがある場合はこの限りでない。

八、他人の氏名表示を詐称した著作物を製作、販売した場合

 


第四十九条 著作権又は著作隣接権を侵害する場合は、権利侵害者は権利者の実質的損失に基づいて損害賠償しなければならない。実質的損失の算出が困難であるときは、権利侵害者の違法所得に応じて損害賠償を行うことができる。賠償額には、権利者が権利侵害行為を制止するために支払った合理的支出を含めるものとする。

権利者の実質的損失又は権利侵害者の違法所得を確定することができないときは、人民法院が侵害行為の情状により50万元以下の損害賠償額を支払うべきとの判決を下す。

 


第五十条 著作権者又は著作隣接権者は、他人がその権利侵害行為を現に行っている、又はまさに行おうとしていることを立証できる証拠を有しており、これを直ちに制止しなければ、その合法的権益を補填しがたい損害を被るおそれがある場合は、訴えを提起する前に人民法院に関係行為の停止と財産の保全措置命令を採るよう請求することができる。

人民法院が前項の請求を処理するにあたっては、「中華人民共和国民事訴訟法」第93条から第96条及び第99条の規定を適用する。

 


第五十一条 侵害行為を制止するに際し、証拠が喪失するおそれがあり又はその後に入手することが困難な情況において、著作権者又は著作隣接権者は訴えを提起する前に人民法院に証拠保全を請求することができる。

人民法院は当該請求を受理した後、必ず48時間以内に裁定を下さなければならない。当該裁定が保全措置を採る場合は、直ちに執行を開始しなければならない。

人民法院は申請人に担保の提供を命じることができる。申請人が担保を提供しないときは、当該請求を却下する。

人民法院が保全措置を採った後15日以内に、申請人が訴えを提起しないときは、人民法院は当該保全措置を解除しなければならない。

 


第五十二条 人民法院は事件の審理において、著作権又は著作隣接権にかかる侵害に対して違法所得、権利侵害にかかる複製品及び違法活動に用いられた財物を没収することができる。

 


第五十三条 複製品の出版者、製作者が、その出版、製作が合法的に授権されたものであることを証明できない、或いは複製品の発行者又は映画著作物、映画の撮影製作に類する方法により創作された著作物、コンピュータソフトウェア、録音録画製品の複製品の貸与者がその発行、貸与した複製品の合法的な入手ルートを証明できない場合は、法律責任を負わなければならない。

 


第五十四条 当事者が契約の義務を履行しない、又は契約義務の履行が約定条件に適合しない場合は、「中華人民共和国民法通則」「中華人民共和国契約法」等の関係法律の規定に従い、民事責任を負わなければならない。

 


第五十五条 著作権紛争は調停を行うことができ、当事者間で締結した書面による仲裁合意又は著作権契約中の仲裁条項に基づき仲裁機構に仲裁を申し立てることもできる。

当事者が書面による仲裁合意を締結しておらず、著作権契約中に仲裁条項を定めていない場合は、直接人民法院に訴えを提起することができる。

 


第五十六条 当事者は、行政処罰に不服がある場合、行政処罰に関する決定書を受領した日から3ヶ月以内に人民法院に訴えを提起することができる。期間が満了しても訴えを提起せず、又は履行しない場合、著作権行政管理部門は人民法院に執行を請求することができる。

 


第六章 附則

 


第五十七条 本法にいう著作権とは、即ち版権のことである。

 


第五十八条 本法第二条にいう出版とは著作物の複製及び発行を示す。

 


第五十九条 コンピュータソフトウェア、情報ネットワーク伝達権の保護方法については国務院により別途規定される。

 


第六十条 本法に規定される著作権者と出版者、実演者、録音録画製作者、放送局、テレビ局の権利で、本法施行日に未だ本法規定の保護期間を超えていないものについては、本法による保護を受ける。

本法施行前に発生した侵害又は契約違反行為は、侵害時又は違反行為の発生時の関連規定及び政策によって処理される。

 


第六十一条 本法は、1991年6月1日より施行する。

 

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